今だからこそ、より解ること

ある一つの事象が起きたとして、
その事象に対する印象、意味づけは時と共に変化する。
それは、あらかじめ
「あとで考えが変わるかな？」
などと、想像もしていない事が多いように思う。



8年前？になるかな、北スペイン700km余りを歩いて来たわけだが、
この道は奇蹟の道とも呼ばれていて、実際不思議体験の話もある。
シャーリー・マクレーンやパウロ・コエーリョ氏の本に触発されて
歩き出した巡礼も多い。わしもその１人だ。
よって、踏破した後になって
自分には奇蹟は起きなかった........orz。嘆く人も多い。
と言うか、たぶんそれがまとも。
わしはまともでないのでいろいろあった。

パウロ・コエーリョ氏に偶然の出会いを果たした直後、
それまで、両足に酷い炎症を起こしてドクターストップ状態だったのに、
わしの痛みはピタッと消えてしまった・・。
あれ？あれ？足を踏ん張ってみたりジャンプしてみても
なんの障害もない。
不思議で不思議で仕方なかった。
一緒に歩いていたアイルランド人の仲間は、
わしがどんな足の状態で歩いていたかを知っていたので、
「肉体に及ぼす精神、心の動きはすごいね・・」
そんなふうに呆れていた。
そして
「良かったね！君は幸運だ。」
喜んでくれた。
だが、その後1時間も経たない内に、また猛烈な足の痛みが戻って来た。

その時は、なぜそう疑わなかったのか自分でも謎だが、
あれはパウロ・コエーリョ氏の力だわ。
氏の目を見た時、宇宙に吸い込まれそうなとは、
まさにこの事だと思った。
あの目。一生忘れない。
彼は本当に本物。
あの時、確信を持ったわしなのに、なぜ足の痛みが止まった事を
氏の力だと思わなかったんだろう？

パウロさんはお元気だろうか。
いつかまたお目に掛かれる日があるといいなぁ。
たぶん、覚えていてくださるだろう。
そうしたら、話すことが山ほどある。
でもきっと、何も言わずとも彼なら察するんでないかな。

この世には人間離れした方が確かに存在する。
わしはそんな人を二人も知っている。
この代償は大きい。
貧乏もヘルニアもやむなし、と言うことか。