気に入って頂ける『場所』が問題

時々、単発の仕事を拾いにハローワークに行く。
わしの仕事なんて不安定この上ないしね。
けど、びっくりしたよ〜。
座るベンチも、仕事を検索する端末も空いてなかった。
少なくとも、今年の初めはこんな状況ではなかった。

サブプライム事件のあと、求職者が激増したのは知っていたが、
担当さんに聞いたら、この夏、さらに増加したんだそうだ。

え〜？っと思いながら番号を呼ばれて窓口に行ったら、
あー今回は外れだーと、ガッカリした。
今回の担当さんは何とも言えない雰囲気を持つ男性で、
雰囲気はねっとり、鈍重で言葉も聞き取りにくい。
こりゃさっさとお茶を濁して帰った方が良いな、と思った。

・・・で、３〜４枚、求人票をプリントアウトしたのを見せたら
「ああ、これはあまり勧められないナ」
と仰る。聞き取れないので
「え？あまり良くないですか？」
「うん。ほら、ここ保険ないよ。通勤途中で事故に遭ったら
雇用者が100％責任持たなきゃ行けないんだけど、ここは・・・。
それにほら、こっちは車持参でないと・・・」
ほぇ〜？と思った。
大変失礼だが、人は見かけに拠らないとしみじみ思った。

牛のような担当さんは、その後も、すでにお尻が浮き加減のわしの心を知らずか
丹念に丹念に求人票を調べてくれた。
その中でたった一社だけ「うん。ここは面白そうダネ」と言ってくれたので
さっそく紹介状をお願いして、さて帰ろうと思ったのだが
「ウケる履歴書の書き方知ってる？」
ニヤッとお笑いになる。
「あーうーえーといくらかは・・」と答えると、それから小一時間、
『正しい履歴書とウケる職歴書の書き方』を講義してくださった。
赤ペン引いて。

途中、前回の担当者さんが通りがかったので、声を掛けて挨拶をしたが
あれが良かったんだろうか？
市役所の人事さんや部署の参事もそうだったが、
なぜかとても気に入られる事があるみたいだ。
「こう言うのも『縁と運』ですよね。頑張って来ます。」
牛さんに言うと、
「うん。頑張っていらっしゃい。良い？（昭和）を（Ｓ）って書くのは
論外だよ？（笑）・・・ダメだったらまたおいで。」
彼はにっこり笑ってそう言った。
う〜む。いや、ありがたいことなんだけどさ。