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「Nature Log」さんのお勧め本の中で、一冊だけ図書館で拾う事が出来たのが↓
さっそく読み始めたら、一晩で読んでしまった。
面白かった。
全55話のうち、最初の9話(1・山の幽霊ばなし)には
あまり魅力を感じなかったが、後半が面白かった。
作者さんが安っぽいオカルトハンターなどではなく、
元々が登山家さんでいらっしゃるので、視点がまったく違っていて
大いに共感も出来たし、事象や人を見る目もまっとうで暖かく、
また、中には笑っちゃう話もあったり、
心から作者さんと一緒に怒りを覚える物もあり、読後感が良かった。
せっかくなので、少しだけ内容をご紹介しておきます。
第19話:静止する蝋燭の炎より抜粋
(前文略す)
(もしかしたら神さまがいるのかもしれない)
そんなある日のことだ。山小屋の常連客ふたりが祠の近くまでくると、
白装束に髪をみずらに結った人と白い犬が一緒に立っているのを目撃した。
常連客は、思わず、「山幸彦様・・・」と呟き、こうべを垂れた。
しかし、次ぎに頭を上げた時、人影はなかった。
そればかりか、同行していたもうひとりに
「何、頭を下げているのだ」と訝られた。
さっそく読み始めたら、一晩で読んでしまった。
面白かった。
全55話のうち、最初の9話(1・山の幽霊ばなし)には
あまり魅力を感じなかったが、後半が面白かった。
作者さんが安っぽいオカルトハンターなどではなく、
元々が登山家さんでいらっしゃるので、視点がまったく違っていて
大いに共感も出来たし、事象や人を見る目もまっとうで暖かく、
また、中には笑っちゃう話もあったり、
心から作者さんと一緒に怒りを覚える物もあり、読後感が良かった。
せっかくなので、少しだけ内容をご紹介しておきます。
第19話:静止する蝋燭の炎より抜粋
(前文略す)
(もしかしたら神さまがいるのかもしれない)
そんなある日のことだ。山小屋の常連客ふたりが祠の近くまでくると、
白装束に髪をみずらに結った人と白い犬が一緒に立っているのを目撃した。
常連客は、思わず、「山幸彦様・・・」と呟き、こうべを垂れた。
しかし、次ぎに頭を上げた時、人影はなかった。
そればかりか、同行していたもうひとりに
「何、頭を下げているのだ」と訝られた。
第20話:幻のかりんとう
(前文略す)
「かりんとうが喰いてえ」
岡部仙人は、思わず呟いた。
前後にいた1年生部員も口々に、「俺も喰いてえ」「俺も」と続く。
口の中に唾が溜まった。
そんな時である。ふと、前を見ると、不思議なことに、
岩の上にかりんとうが点々と五個置かれていたのである。
最終日なので先輩が先回りして褒美にかりんとうを置いてくれたのだろう、と思った。
岡部仙人は、ひとつ拾うと口に入れた。
かりんとうの甘さが口の中に広がった。
「かりんとうがあれほど美味しいものだとは思わなかった」
岡部仙人のあと、次々と1年生部員が食べた。皆、うまそうに食べた。
ぼりぼりと音がして、もっと食べたかったが人数分しかない。
ひとつでも食べられて良かったと思わなきゃ、といい聞かせた。
しかしそれにしても、厳しい先輩たちも
なかなか心憎い演出をしてくれるものだと、岡部仙人は感心した。
昼、休憩に入ると、岡部仙人たちは先輩の前に立って
「さきほどは、かりんとう、ごちそうさまでした」と礼を言った。
先輩はぽかんとしている。
「何をいっている、そんなものがあったら俺たちが食っている。
昼から夢でも見ているのか!」
では、あの「かりんとう」は誰が置いたのだろうか?
あるいは、ひとりでだけでなく、新入部員全員がかりんとうの幻覚を
見たとでも言うのだろうか。だとしたら、いったい何を食べたのだろう?
動物の糞か。なかでもテンは、縄張りを誇示するために
「テンの高○そ」と称して、岩の上など目立つところに糞をすると言うが、まさか?!
子供の時から山を歩いてきて50年以上経つ岡部仙人だが、
わからない事の一つが、この「かりんとう」の正体だ。
第53話:それでも医者か
「何だ、須田さん、来ていたんだ。よかった。見てのとおり、
登山者が倒れて大変なんだ。診てやってくれませんか。」
須田にお願いすると、みんなに聞こえるように、
「偶然、お医者さんがいらっしゃいました、これで助かりました。」と報告した。
みんなは「よかったぁ」と顔を輝かせた。今までの不安が払拭された。
しかし、それはつかのまだった。
その空気を破るように須田はいい放った。
「俺、今日は遊びで山にきているんだ。だから関係ない。
それに道具もないので何もできない」
(後文略す)
他にも、西風に倒れた巨木が東風で立ち直っちゃった(笑)話とか、
天狗さんに窘められた話、日航機墜落事故の時に現れた
不思議な雲と虹の話、オカリナをくれた少年の話は
いったい何処までが真実で嘘なのか?
女性ふたりの遭難遺体がなぜか木の葉にすっかり隠されて見つかって、
いったい誰が?何が?二人に木の葉を掛けたのはまったく謎のままだったり、
昨日まで5m先にあった大きなテーブル状の岩が移動していた等々、
面白い話が満載です。
(前文略す)
「かりんとうが喰いてえ」
岡部仙人は、思わず呟いた。
前後にいた1年生部員も口々に、「俺も喰いてえ」「俺も」と続く。
口の中に唾が溜まった。
そんな時である。ふと、前を見ると、不思議なことに、
岩の上にかりんとうが点々と五個置かれていたのである。
最終日なので先輩が先回りして褒美にかりんとうを置いてくれたのだろう、と思った。
岡部仙人は、ひとつ拾うと口に入れた。
かりんとうの甘さが口の中に広がった。
「かりんとうがあれほど美味しいものだとは思わなかった」
岡部仙人のあと、次々と1年生部員が食べた。皆、うまそうに食べた。
ぼりぼりと音がして、もっと食べたかったが人数分しかない。
ひとつでも食べられて良かったと思わなきゃ、といい聞かせた。
しかしそれにしても、厳しい先輩たちも
なかなか心憎い演出をしてくれるものだと、岡部仙人は感心した。
昼、休憩に入ると、岡部仙人たちは先輩の前に立って
「さきほどは、かりんとう、ごちそうさまでした」と礼を言った。
先輩はぽかんとしている。
「何をいっている、そんなものがあったら俺たちが食っている。
昼から夢でも見ているのか!」
では、あの「かりんとう」は誰が置いたのだろうか?
あるいは、ひとりでだけでなく、新入部員全員がかりんとうの幻覚を
見たとでも言うのだろうか。だとしたら、いったい何を食べたのだろう?
動物の糞か。なかでもテンは、縄張りを誇示するために
「テンの高○そ」と称して、岩の上など目立つところに糞をすると言うが、まさか?!
子供の時から山を歩いてきて50年以上経つ岡部仙人だが、
わからない事の一つが、この「かりんとう」の正体だ。
第53話:それでも医者か
「何だ、須田さん、来ていたんだ。よかった。見てのとおり、
登山者が倒れて大変なんだ。診てやってくれませんか。」
須田にお願いすると、みんなに聞こえるように、
「偶然、お医者さんがいらっしゃいました、これで助かりました。」と報告した。
みんなは「よかったぁ」と顔を輝かせた。今までの不安が払拭された。
しかし、それはつかのまだった。
その空気を破るように須田はいい放った。
「俺、今日は遊びで山にきているんだ。だから関係ない。
それに道具もないので何もできない」
(後文略す)
他にも、西風に倒れた巨木が東風で立ち直っちゃった(笑)話とか、
天狗さんに窘められた話、日航機墜落事故の時に現れた
不思議な雲と虹の話、オカリナをくれた少年の話は
いったい何処までが真実で嘘なのか?
女性ふたりの遭難遺体がなぜか木の葉にすっかり隠されて見つかって、
いったい誰が?何が?二人に木の葉を掛けたのはまったく謎のままだったり、
昨日まで5m先にあった大きなテーブル状の岩が移動していた等々、
面白い話が満載です。
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