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しまねこです。天皇陛下と皇室の存続と繁栄を一番に願う者ですが、しばし政治ネタはお休み。縁の下の力持ちになる方法を探って行こうと思います。
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『山の怪奇・百物語』読み終えた。
全部実話だと言う事だが、いわゆる『昔話』の雰囲気。
ただし、何百年前ではなくて、里村がまだ、賑わっていたころの話。
幽霊話はほとんどなくて、山で出会った異人や怪現象、神隠し、
それと『主』と呼ばれた大蛇や狼、猫又の話なんかも面白かった。
信州の山だったかな?猫又とか、猫の踊り場と言う場所があって
その名前はそのものずばり、猫又が現れて踊った場所なんですって。
登山をする方なら、ご存じなんじゃないですかね。

また、実際にバチが当たって、裕福な家が潰れたなんて話もたくさんあった。
実名と、実際に何をやったか?まで出てるので、大変リアル。
たぶん、犬神と同じモノだと思うが、憑いた家や家族のために
一所懸命尽くすモノを『オーサキ』と呼ぶ地域があって、
やることなすこと犬神と同じ。

いろいろ面白い話は出て来たが、心に残っている話は2つ。
『魔留滝沢(マルタキサワ)の犬隠れ』と『グリン様の通り道』
少し引用、抜粋してみます。

熊の足跡はみられないので雪靴と履き替えることもなく、
ゴム長で歩いていた私が、あやまって川辺の石車に乗り、
前のめりに倒れ込んだ拍子に驚いたヨツ(犬の名)は、
私の手から引綱もろとも飛び出し、そのまま解放された嬉しさからか、
左岸の斜面を駆け上って行きました。


私は父から、ここで犬が姿を消したら絶対に呼んではいけない、
と言われており、またそのときは大火を焚いて、
煙をたくさんあげることだとも言われていました。
私はその通りにして、ジッとヨツの帰りを待ちました。

かすかな遠吠えの声を聞いた気がしました。
しかし、呼んではいけない、心がはやるのをジッと我慢し、
ヨツの方を見守っていました。
ヨツも私の方をみて、じっと立ち止まっているようでした。
そうだ、犬は音楽が好きなはずだ、そう思った私は、
いつも腰に付けている銃の薬莢で作った呼子を吹いてみました。
「ビーッ」、その瞬間ヨツは、「ウォー」と遠吠えをしながら
方向をかえて上方に駆け上り、そしてすぐに立ち止まって振り返りました。
呼子をまた吹く、再び遠吠え、そして上方に駆け上る。
それを三度くり返す間にとうとうヨツの姿は消え、
五度目くらいにはその遠吠えも聞き取れなくなってしまいました。
致し方ありません。持っている食べ物を全部大岩の陰に置いて
私は帰途に就きました。

それから一週間目、心急ぐまま、足ももつれ予定より早く黒川に着きました。
休む間も惜しく、食料を置いたあの大岩に急ぎました。
その大岩がすぐそこに迫りましたが、しかしヨツは現れません。
先日の残雪はなく、木の葉の岩陰が顕わに見えました。
と、私がそこに走り寄ったそのとき、どうでしょう、ヨツがいたのです。
岩陰を掻き、木の葉の中に丸くなっていました。
その目はヤニで閉じ、やせ衰え衰弱仕切った様子でした。
とても立ち上がれそうにありません。私はヨツを背負うと、
何度も休みながらやっと帰宅しました。

ヨツはその後回復してからも、なぜか以前の様子と違い、
物怖じし、猟場で獲物に出会っても鳴き追いと言う動作をしなくなりました。

犬には、自分を呼ぶ飼い主の姿が鬼に見えたのかもしれないですね。
その『場』に立つと、異形に変わってしまうのかも。

もう一つはページを改めて
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