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【塵塚物語】より
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十、徳政令、夫妻棒引きの真面目ナンセンス一部抜粋
中古、(主として平安時代を差すが、鎌倉・室町時代をも言う)では、
為政者が、天下に徳政令と言う奇妙な法をしいて、勝手な事をしてた。
その起源を調べてみるとこうである。
欄背が続いて、軍資金が乏しかったために、
あれこれと証人や職人の金銀を奪い、あるいは借りたままで、
持ち主に返さなかった。
そうかといって、そう言うことは不穏当で、
後の人がそれを訊けば、けしからんことだと思うだろうというわけで、
時々この法を実施したのである。
例えば、借りた物は貸し主の損となり、
貸した物は借り主の得となることである。
これを、一国を平等にする徳政と言った。
我が国では、神代以来今日まで、こんな道理にはずれた法を
聞いたことはないのである。
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十、徳政令、夫妻棒引きの真面目ナンセンス一部抜粋
中古、(主として平安時代を差すが、鎌倉・室町時代をも言う)では、
為政者が、天下に徳政令と言う奇妙な法をしいて、勝手な事をしてた。
その起源を調べてみるとこうである。
欄背が続いて、軍資金が乏しかったために、
あれこれと証人や職人の金銀を奪い、あるいは借りたままで、
持ち主に返さなかった。
そうかといって、そう言うことは不穏当で、
後の人がそれを訊けば、けしからんことだと思うだろうというわけで、
時々この法を実施したのである。
例えば、借りた物は貸し主の損となり、
貸した物は借り主の得となることである。
これを、一国を平等にする徳政と言った。
我が国では、神代以来今日まで、こんな道理にはずれた法を
聞いたことはないのである。
文明(1469〜1487年)のころの徳政に、
面白い事があったと伝えられている。
その頃、三条、五条付近は、大勢の旅人が宿泊していたので、
宿屋の主人は、いい機会だ、金儲けをしよう、とたくらんで
旅人の所持のものを一つ一つ見て、
この脇差しをしばらくお貸し下さい、この堤は何ですか?
差し支えなければお貸し下さい、と言うと、旅人は、
亭主がたくらみで言っているとは夢にも知らなかったので、
おやすいことです。ご用立つものは、なんでもお貸ししましょうと
承諾したので、亭主は、大勢の旅人の所持のものを、
一緒に全部お貸し下さいとまで言って、借りてしまった。
こうして一、二日経つと、はたして、幕府からの布告であると言って、
ホラ貝を吹き、辻辻で、徳政令が出たとの大声の告示があった。
その後で、亭主が旅人を集めて、
「さてさて、いやなことを申さねばなりません。この徳政令と言うのは
畏れ多くも将軍様からのおふれです。このご命令の主旨は、
どんなものでも、お借りしますと言う言葉をかけたものは、
皆借り主に与えられ、貸した物は、みな持ち主の損となって、
天下の貸し借りを平均して、平等になさる布告です。
ですから、このほど私がお貸し下さいと申した物は、皆こちらの物です。
これは、自分勝手を言うのではなく、
たった今出されたおふれによるものです。」
と、いかにも得意顔で言ったので、旅人たちは、少しも訳が分からず、
びっくりして途方に暮れていた。
その中に大変こざかしい者がいて、進み出て
「わかりました。皆さん、何でもないことです。
将軍様のおふれに背くのではありません。
私たちが貸そうと言ったものは、皆、あなたが取りなさい。
ところで、私たちは一時のこととは言え、あなたのお宿を借りたのが
ちょうどこの時期でした、今さらこの家を返す事は出来ません。
ですから、昔から長い間m所持された家でしょうが、
私たちが折悪しく借り合わせたので、あなたが妻子や
召使いを引き連れて立ち退かれるべきで、お気の毒なことです。」
と言うと、亭主は
「それは無茶な仰りようです」
と言って、争ったが、とにかく、家は渡さないと言ったので、
何やかやと大事になって、奉行所に訴え出たところ、
奉行所では亭主を呼ばれて
「けしからぬことである。急ぎ立ち退くべし」
と厳しく裁定されたので、力及ばす、亭主はすっかり家を取られて、
どこへともなく立ち退いたと伝えられている。
亭主が少しの欲におぼれて、ひどい目にあったと言うので、
当時、天下の人に笑われたと言うことである。
面白い事があったと伝えられている。
その頃、三条、五条付近は、大勢の旅人が宿泊していたので、
宿屋の主人は、いい機会だ、金儲けをしよう、とたくらんで
旅人の所持のものを一つ一つ見て、
この脇差しをしばらくお貸し下さい、この堤は何ですか?
差し支えなければお貸し下さい、と言うと、旅人は、
亭主がたくらみで言っているとは夢にも知らなかったので、
おやすいことです。ご用立つものは、なんでもお貸ししましょうと
承諾したので、亭主は、大勢の旅人の所持のものを、
一緒に全部お貸し下さいとまで言って、借りてしまった。
こうして一、二日経つと、はたして、幕府からの布告であると言って、
ホラ貝を吹き、辻辻で、徳政令が出たとの大声の告示があった。
その後で、亭主が旅人を集めて、
「さてさて、いやなことを申さねばなりません。この徳政令と言うのは
畏れ多くも将軍様からのおふれです。このご命令の主旨は、
どんなものでも、お借りしますと言う言葉をかけたものは、
皆借り主に与えられ、貸した物は、みな持ち主の損となって、
天下の貸し借りを平均して、平等になさる布告です。
ですから、このほど私がお貸し下さいと申した物は、皆こちらの物です。
これは、自分勝手を言うのではなく、
たった今出されたおふれによるものです。」
と、いかにも得意顔で言ったので、旅人たちは、少しも訳が分からず、
びっくりして途方に暮れていた。
その中に大変こざかしい者がいて、進み出て
「わかりました。皆さん、何でもないことです。
将軍様のおふれに背くのではありません。
私たちが貸そうと言ったものは、皆、あなたが取りなさい。
ところで、私たちは一時のこととは言え、あなたのお宿を借りたのが
ちょうどこの時期でした、今さらこの家を返す事は出来ません。
ですから、昔から長い間m所持された家でしょうが、
私たちが折悪しく借り合わせたので、あなたが妻子や
召使いを引き連れて立ち退かれるべきで、お気の毒なことです。」
と言うと、亭主は
「それは無茶な仰りようです」
と言って、争ったが、とにかく、家は渡さないと言ったので、
何やかやと大事になって、奉行所に訴え出たところ、
奉行所では亭主を呼ばれて
「けしからぬことである。急ぎ立ち退くべし」
と厳しく裁定されたので、力及ばす、亭主はすっかり家を取られて、
どこへともなく立ち退いたと伝えられている。
亭主が少しの欲におぼれて、ひどい目にあったと言うので、
当時、天下の人に笑われたと言うことである。
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