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しまねこです。天皇陛下と皇室の存続と繁栄を一番に願う者ですが、しばし政治ネタはお休み。縁の下の力持ちになる方法を探って行こうと思います。
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もう一つ。
私が『黒部の山賊』で非常に興味を惹かれた話が

小屋から出て、リュックを置いたところの近くまで行くと、
霧がかかってきて方角が分からなくなってしまった。
それからあとは、ただ小屋へ帰ろうと思って
ヤブの中を歩き続けたことだけしか記憶にないと言う。
さらに彼のことばをよく聞いて判断すると、
霧は白骨の方からかかってきたらしい。しかし不思議なことに、
そのころ雲ノ平で霧を見た者は1人もいないのである。
そしてヤブの中を歩いて最後に出たのは、カベッケだった。

そこでキャンプをしていた人たちの中へ入れて貰って最後の夜は過ごし、
早朝、雲ノ平へ戻って来たのである。
そして彼は、
「今になって考えてみると不思議です。昼も夜も、いつも4人で、
話し合ったり、僕のもっていた乾パンを食べたりしながら歩いていたので、
少しも寂しくありませんでした」

と言う。
いったい彼の他の3人はなんだったのだろうか。

である。

山には
障気=災いをもたらす気
神気=文字通り神界の気
の2種類があるらしい。
なんでもかんでも山はイイ。と言うわけではない。
時々、山に入っておかしくなる人が出てくるが、その中には
障気に当てられた人がいると、わしは思っている。
障気のやり過ごし方と言うのもあるらしい。

上のI君の体験だが、これは現界と幽界の狭間に紛れ込んだものと見える。
霧と言うのは不思議な現象で、昔からこの手の話が多く残っている。
例えば『浦島太郎』の玉手箱から出てきた煙り。
煙を霧を考えても良いわけだ。
こちらとあちらの境には、必ず霧があるものなのかもしれない。

I君と連れだって歩いてくれたのが何者だったのか?
山の精霊か亡き遭難者の霊か?
それは分からないけれど、I君が迷い込んだ世界は
まちがいなく異界であったろうと推測は出来る。
無事に帰ってこれて何よりだわ。

元々山は神聖な場所。
どんな小さな山にも必ず鎮まる神々がいらっしゃる。
人間と言えども、何処までも入り込んで良い訳はないんだろうね。
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